令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。

https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html

関係者や相続経験のある方ならなんと無くピンと来る内容ではありますが、経験も無くいきなり義務化と言われても「私に関係あるの」と思われる方も多いかと思います。

普段の生活の中ではあまり聞き馴染みの無い「相続登記」に関してできるだけ簡単に解説してみようと思います。
少し深い内容にもなりますのでシリーズ化して解説します。
前回は「いざ相続登記を行わなくてならない場合、誰に相談? 」について解説しました

相続人申告登記の創設

相続登記の申請の義務化と相続人申告登記について:法務局資料より

相続人が申請義務を簡易に履行することができるようにする観点から、新たな登記を設ける。

相続人申告登記とは所有権の登記名義人について相続が開始した旨と、2自らがその相続人である 旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで、申請義務を履行したものとみなす(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになる。)

少し難しい表現ではありますが、噛み砕いて解説しますと。
通常の相続登記に関しては相続事案が発生した際は、全ての相続人が法定相続分の割合で分割を行う必要がある(相続人全員の同意が必要)ここで揉めたり、時間がかかる事も想定されるために。
相続登記の申請義務化を行う際の申請義務を簡易に履行することができるようにする観点からの新たな登記になります。

登記簿を見ることで相続人の氏名・住所を容易に把握することが可能に
▶ 相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出可(他の相続人の分も含めた代理申出も可)
▶ 法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要
添付書面としては、申出をする相続人自身が被相続人(所有権の登記名義人)の相続人であることが 分かる当該相続人の戸籍謄本を提出することで足りる(資料収集の負担が軽減される)

ただしここで注意をしなくてならないのは「相続登記」と「相続人申告登記」の大きな違いは

相続登記は正確には「相続による所有権の移転の登記」という手続きで、登記申請の時点で相続人の範囲や法定相続分の割合を確定させておく必要があります。今回説明の「相続人申告登記」は相続登記とは異なり、申請の時点で相続人の範囲や法定相続分の割合まで確定してある必要はありません。

相続人調査などの相続手続きが済んでいなくても相続登記の義務を果たすことができます。と言う内容になります。

遺産分割成立時の追加的義務 【新第76条の2第2項、新第76条の3第4項等】
改正法では、遺産分割が成立した場合にはその内容を踏まえた登記申請をすることも義務付けている。

この辺につきましては注意する必要があります。

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